会長挨拶

会長日本病態プロテアーゼ学会は、臨床・基礎・企業のプロテアーゼとインヒビター研究者がお互いに同等の立場から意見を交換し、 この領域の研究を発展させ、社会に貢献することを目標に活動しております。本学会は、毎年1回学術集会を開催し、 プロテアーゼ研究の専門家が一同に会し、基礎および臨床の先端的研究の発表と討論をする機会をご提供しておりますが、 この度、第24回学術集会を2019年8月2・3日(金・土)の2日間、岐阜市にて開催致します。

今回の学術集会のテーマは「新たなターゲットプロテアーゼの探求」とし、 非会員の皆様にも魅力ある学会プログラムになるよう関係各位と議論を重ねました。 基調講演では、新規創薬技術として着目されているユビキチン・プロテアソーム系を利用した PROTACs(Proteolysis-targeting chimeric molecules)研究の第一人者である内藤幹彦先生(国立医薬品食品衛生研究所)に、 「標的タンパク質を特異的に分解するハイブリッド型低分子化合物SNIPER(Specific and Nongenetic IAP-dependent Protein Eraser)の開発と応用」と題し、 日本発の基盤技術についてお話して頂きます。シンポジウムでは加齢黄斑変性、遺伝性の脳梗塞、関節炎、ケロイド、心不全など 多くの疾患に関わると考えられている分泌型セリンプロテアーゼHtrA1(High temperature requirement A1)に焦点を当てます。 ワークショップ「皮膚:美と健康のためのターゲットプロテアーゼ」では、 皮膚の恒常性、シワ形成、色素沈着、経皮アレルギーなどに関わるプロテアーゼを取り上げます。 さらに、教育講演では、㈱ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの畠 賢一郎先生より 「実用化に向けた再生医療研究の現状と今後」についてお話し頂きます。

学術集会が開催される8月2・3日は、全国が暑い最中ですが、織田信長ゆかりの金華山岐阜城、鵜飼などで涼を取り、 また3日には長良川花火大会も予定されていますので、scientificな熱い議論とともにお楽しみ頂けます。 多くの皆様にご満足頂ける学術集会になるよう努めますので、多数のご参加をお願い申し上げます。



第24回日本病態プロテアーゼ学会学術集会会長
井上 紳太郎
岐阜薬科大学香粧品健康学講座 特任教授